熊本市内などの料理店のシェフなどが参加したバスツアーが1月22日、天草で開催された。
熊本県産食材のおいしさを知ってもらい、利用拡大を図るため産地を見学し、農家と交わることで食材の良さを知り店での提供につなげてもらうのが狙い。主催は熊本県流通アグリビジネス課。熊本市内を中心に12人のシェフや料理人が参加した。
訪れたのは上天草市。最初に船で湯島に渡り、1本3キロにもなる湯島大根畑へ。農家の森教孝さんに大きくても鬆(す)ができないことや瑞々しく辛みが少ないなどの特徴を教わった後、全員で大根抜きを体験した。
収穫後、上天草で「湯島大根をおいしく食べる研究」を重ねたという大矢野島の地元の料理店へ移動。昼食で湯島大根ずくめのお膳を食べながら、女将(おかみ)の林田恵美子さんから料理法を教わり、若手のシェフからはさまざまなアイデアも出た。
その後、会場を「リゾラザバード」(上天草市大矢野町)に移し、上天草でサーモン養殖を手がける「マルマサ浜田鮮魚」取締役の浜田真和さん、「上天草さんぱーる」外商部長の林田益隆さんから天草食材の豊かさなどについてプレゼンテーションを受け、「林商店」で海藻について学んで研修は終了した。
同ツアーの企画に携わり自らも参加したイタリア料理店「tutti(トゥッティ))」の中村龍也シェフは「存在を知ってても使ったことがなかったり、使ってても背景を知らなかったりする食材がある。今回のツアーで食材をしっかりと知り、自信を持ってお客さまに薦めることができるようになれば。このような体験を通して料理人には地産地消の一翼を担っていってほしい」と期待を寄せる。