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熊本・八代の歯科医院が地震後1週間で診療再開 断水続く中、地域医療支える

やまデンタルクリニック院長山口貴久さん(左)と、山口かずえさん

やまデンタルクリニック院長山口貴久さん(左)と、山口かずえさん

 令和8年熊本地震で被災した八代市鏡町の「やまデンタルクリニック」(八代市鏡町鏡村)が、発災から6日後の8月3日に診療を再開した。

発災直後の医院内の様子

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 震源地に近く、近隣には倒壊した家屋も並ぶ同医院。7月28日の地震発生時、院内ではパーティションが倒れ、歯科器材やパソコンが移動・落下するなどの被害があった。ライフラインも止まり、当初は診療再開まで1カ月ほどかかることも想定したという。発災2日後から、スタッフらが医院に集まり、自宅などから水を持ち寄りながら復旧作業を始めた。散乱した約1万枚のカルテを一枚ずつ確認して元に戻したほか、歯科器材の業者などの協力を受けながら、診療再開に向けた準備を進めた。

 山口貴久院長は発災直後から早期の再開を考えていたが、妻で歯科医師の山口かずえさんは、自宅の片付けも終わらない中で診療を急いで再開することには不安があったという。停電が解消すると「いつから診療できますか」「診てもらえますか」など患者からの問い合わせが相次ぎ、できる範囲で診療を再開することを決めた。

 診療内容を制限して3日に再開すると、患者から「ここがなくならなくて本当に良かった」と声をかけられたという。かずえさんは「最初は再開に反対していたが、その言葉を聞いて、頑張って再開して良かったと思った」と振り返る。18日現在、地域では上下水道の通水が始まったものの、施設の損壊により同医院では断水が続いており、診療に必要な水を確保するため、自宅から毎日約20リットルの水を運び、手洗いなどに使っているという。

 災害時は、水や歯ブラシなどが十分に確保できず、口腔(こうくう)ケアが後回しになりやすいという。口の中が不衛生な状態になると、虫歯や歯周病だけでなく、特に高齢者では誤嚥(ごえん)性肺炎につながる可能性もある。山口院長は「十分な水がない場合でも、できる範囲で歯ブラシを使ったり、うがいをしたりするなど、口の中を清潔に保つことが大切。災害時だからこそ、全身の健康を守るためにも、口のケアをできる範囲で続けてほしい」と呼びかける。

 かずえさんは「患者さんが安心して通える医院を一日も早く取り戻したい。スタッフや家族も含め、無理をしすぎず、みんなで支え合いながら少しずつ日常を取り戻していきたい」と話す。

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