天草市で海面養殖したブランドサクラマス「桜空(SAKURA)」の発表・試食会が4月28日、「上乃裏CIRCUS」(熊本市中央区水道町)で行われた。
水産養殖・加工・販売を手がける「ふく成」(西区田崎町)が育てたサクラマスを5月から出荷するのに合わせて開催。1960(昭和35)年創業の同社は「子どもたちの未来に食をつなぐ」をコンセプトに、さまざまな事業を手がけてきた。今回は、宮崎大学の技術を基に設立された、サクラマスの養殖・種苗生産を行う大学発ベンチャー企業「Smolt」(宮崎県)と連携。6世代にわたり品種改良した水温24度にも耐えられる同品種を使い、2025年12月から約2000尾試験養殖した。成長したサクラマスの発表・試食会には、関係者ら50人が集まった。
会の冒頭で、ふく成の平尾有希さんは「冬から春にかけて出荷に適した魚種で、赤潮や台風など自然環境の変動を受けにくい安定した品質が特徴。150グラムの稚魚が平均1.8~2キロ、大きいものでは2.3キロに成長したサクラマスは、臭みがなく、すっきりした味わいになった。今回の養殖を契機に、これからも若い人が楽しくてもうかるような水産業界にしていきたい」とあいさつ。その後、ブランド名を「桜空」にした経緯や、既存の養殖スケジュールの空き期間を活用した「二毛作養殖」モデルについて紹介した。
試食会では、「花小町」(北区植木町岩野)オーナーシェフの本田広之さんと、管理栄養士で「HARUlab.」代表の相藤春陽さんの2人が料理を提供。本田広之さんがタルト、フライ、ムニエルを、相藤さんがトマトと赤酒を使ったちらしずしを用意したほか、刺し身も提供された。参加者はそれぞれの料理をおいしそうに食べていた。平尾さん、本田さん、相藤さんが登壇した鼎談(ていだん)では、養殖場視察を通して感じたことやサクラマスの魅力、食の未来と可能性について意見交換した。
平尾さんは「今後は需要に合わせて1万尾以上への拡大を目指したい。鮮度保持技術の向上により海外輸出も検討している。熊本県で初めて出回るので、たくさんのシェフに料理してもらえれば。家庭で子どもに大好きだと言ってもらえる商品も新たに開発していきたい」と話す。